エリア
廿日市市津田エリア
築年月
1999年00月
移住歴
00年
条件
倉庫付き、農業、子育て、ペットとの暮らし、DIY

空き家からはじまる“自分らしい暮らし”
——家庭菜園と観葉植物が寄り添う里山時間

2025.12.01

家庭菜園
縁側
庭
平家

廿日市市浅原の山あいに佇む一軒の空き家。藤井さん夫婦がこの家に出会ったのは、理想の「田舎での暮らし」を探し始めて1年半ほど経った頃だった。母屋はそのまま住める状態で、手を加えられる小屋や裏山もある。そんな条件がそろう家は他になく、初めて浅原を訪れたときに感じた穏やかな景色や、地域の人のやさしさにふれ、移住を決めたという。

手つかずの状態から始めた暮らしだったが、草木に覆われた裏山を眺めながらも、「ここはきっと良い場所になる」と思ったという。実際に住み始めると、当初の想像以上にできることが少しずつ広がっていった。

朝は下宿生たちを見送ってから朝食をとり、8時からは夫婦でその日やこれからのことを話す時間。午前は家庭菜園やDIY、午後は仕事、夕方には下宿生たちと食卓を囲む。そんな落ち着いた“さとやま時間”が、ふたりの暮らしに心地よいリズムをつくっている。

家庭菜園では、夏にハーブや野菜を育てている。以前は張り切りすぎて疲れてしまったこともあるが、今では「食べたいものを少しだけ育てる」という無理のない形に落ち着いた。ご近所から野菜をいただくことも多く、“みんなで分かち合う暮らし”が根づきつつある。

もうひとつの楽しみが、暮らしに寄り添う観葉植物だ。近所の方から教わりながら育てた観葉植物は、家の中にやさしさを加えてくれる存在になった。「今まで知らなかった世界が広がったような感覚」と、ふたりはその変化を楽しんでいる。

裏山は“未来を膨らます場所”。トランポリンを置いてみたり、いつかヤギを迎える話をしたりと、想像が広がっていく。離れは下宿生たちや来客が過ごせる空間に整えられ、家の形は変えずとも、自分たちの想う暮らしに近づいている。

「暮らしのアーティストでありたい」。藤井さん夫婦は、手を動かしながら、自然と寄り添う時間の豊かさを楽しみ続けている。

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